おはようございます!
ちたるです。
今朝は、私が2021年で読んだ本の中で何度も読み返している
人新世の「資本論」の読書メモを公開します!
思ってたよりも長くなってしまったので、
のんびり読んでください!
人新世の「資本論」
【「新書大賞2021」受賞作!】
人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。
気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。
それを阻止するには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。
「資本主義には限界がないが、地球環境に限界がある」という
資本主義という社会のシステムが、地球環境にどのように影響を与えているか
詳しく解説されている本です。
私はこの本を読んで、資本主義に対する考え方が180度変わりました。
わたしの読書メモ
毎年各地で異常気象が起きている
・2020年6月シベリアで気温が38度に達した
・永久凍土が融解→大量のメタンガス、水銀、炭疽菌が流出→気候変動は更に増える→連鎖反応
日本で気温上昇が続くと
・2度の上昇でもサンゴは死滅し漁業に大きな被害
・夏の熱波で農作物の収穫への大きな影響
・台風の巨大化
→2018年西日本豪雨の被害総額1兆2000億円
この規模の洪水は毎年起こるようになっており、確率は更に上がっていく
過酷な環境下での労働力の搾取+自然資源の収奪
→大量生産・大量消費型の社会は先進国で暮らす私達にとって豊かな生活を実現してくれるが、
その裏で先進国以外の地域や社会集団から収奪し、豊かな生活の代償を押し付けている
・2013年、5つの縫製工場が入った商業ビル「ラナ・プラザ」が崩壊
バングラデシュで生産されている服の原料である綿花を栽培しているのは40度の酷暑の中で作業を行うインドの貧しい農民たち
ファッション業界からの需要増大に合わせて遺伝子組み換えの綿花が大規模に導入されている
その結果、自家採種の種子が失われ、農民は遺伝子組み換え品種の種子と化学肥料、除草剤を毎年購入
干ばつや熱波のせいで不作になれば農民たちは借金を抱える
グローバル資本主義の構造的理由から、この仕組みに依存しなくてはいけない
そこで働く労働者たちも自分の生活のために働いている
ファッション産業の市場拡大+生産続行が強制=大企業の収益が上がる
私達の生活の豊かさはこの犠牲の上に成り立っているのをほとんどの人は知らない
・先進国
先進国は他の国を犠牲にして「豊かな」生活を享受している
今日だけでなく未来もこの特権的な地位を維持しようとしている
私達の社会はそうすることでのみ繁栄してきた
先進国の「過剰発展」と周辺国の「過小発展」
資本主義というものは、中核部はより大きな利潤を上げるためには、周辺部から廉価な労働力を搾取し、その生産物を買い叩かなくてはならない構造
収穫の対象は周辺部の労働力だけではなく地球環境全体
気候変動の問題は、そういった環境危機が引き起こす被害に地球上の人々がみな等しく苦しむわけではない
食料やエネルギー、原料の生産・消費に結びついた環境負荷は不平等に分配されている
苦しんでいない人にとっては、こういった環境の搾取は対岸の火としか感じられない、「どこか遠く」の人々の話としか思えない
日本においても東京はインフラが整備され守られているので水害の被害も少ない
仮にどこかで水害が起こったとしてもスーパーの食品棚に直ちに影響はない
地方では、農業を営む人たちは台風で収穫が台無しになるたびに生活に直接影響が出る
漁業でも穫れるはずの魚がとれなくなっていることに気づきすでに困っている
世界では先進国と周辺国、日本では東京と地方という関係で悲劇の転嫁が行われている
しかし外部の消尽が行き着いている
日本のスーパー台風、オーストラリアの山火事など先進国や都市部でも可視化されるようになっている
・エコバッグ
「環境危機」という言葉を知って免罪符的に行うこと=エコバッグを買う
エコという免罪符がもたらす満足感のせいで、そのエコバッグが作られるよう際の遠くの地での人間や自然への暴力にはますます無関心になっていく
この事実を知って行動することは、豊かな生活を手放すということ
それは嫌なので、危機対応は未来へと先延ばしにされていく
私達一人ひとりがこの不公平に加担している
・チリでの欧米輸出向けのアボカドの栽培
アボカドの栽培には大量の水が必要
一度アボカドを生産すると、他の果物などの栽培は困難になる
→チリは自分たちの生活用水や食糧生産を犠牲にし、アボカドを生産してきた
大干ばつによる深刻な水不足
▼手が洗えない…大干ばつの南米チリに「新型コロナウイルス」の脅威(ヤフーニュース)
▼南米チリの水不足… ウイルス危機の手洗い需要にも不安(AFPニュース)
欧米人の消費主義的ライフスタイルがもたらす気候変動やパンデミックによる被害に真っ先に晒されるのは周辺部
先進国のために自分たちを犠牲にし労働し、先進国の消費による環境被害を受けている
先進国も自然条件悪化の影響を完全に免れることはできないが、資本主義が崩壊するほどの致命傷をいますぐ負うことはない
先進国の人々が大きな問題に直面するころにはもう手遅れの状態
資本主義が崩壊するよりも前に地球に人類が住めない場所になる
先進国が豊かな暮らしを続けていくためには、先進国以外のが存在する必要がある
これまで外部的な受け皿になっていた国も急速な経済発展を遂げている
▼中国のGDP、70年弱で170倍以上に 世界2位の経済大国になった理由(AFPニュース)
▼ブラジル経済の現状と今後の展望~ W杯&五輪の追い風があっても高成長できない理由は? ~(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
若者に野心がある、成功したいという気持ちが先進国よりも強い
人口増加によって、確率論的に優秀な人が増えた
新しい受け皿はまた経済発展をして受け皿にならなくなってしまう
そのシワ寄せは先進国内部に及んできている
マルクス「資本論」
晩年のマルクスの思考=「脱成長コミュニズム」
コミュニズム=共産主義
教育、医療、家、水道、電気などを市場から引き上げ、共有財産にしていく公共の価値を求めるのが共産主義の考え方
脱成長コミュニズムが資本主義という価値観を塗り替える新たな価値観になる
成長を前提とした資本主義的な枠組みでは環境保全は不可能
脱成長コミュニズム的な考え方
・希少性を緩めるために最低限必要な電気、水道、水、教育、医療、住居などを共用のものとする
・その上で経済成長しなければならないという考えを捨てて、持続可能な経済への移行を図る
・GDPの増大を目指すのではなく、人々の基本的ニーズを満たすことや、QOL向上を重視するような社会を築いていく
資本主義は、言ってしまえば宗教
お金という神を崇めて、経済成長こそが私達を豊かにしてくれると信じている
資本主義が宗教とすら感じないのはそれほどまでに浸透しているから
中世ヨーロッパでは誰もキリスト教を疑っていなかったように、今の世の中では資本主義を誰も疑っていない
むしろ、経済成長を求め続ける間に、労働条件も地球環境も悪化しているということに目を向ける
資本主義では解決できない問題が目前に迫ってきている
飽くなき成長を求める資本主義から脱出したほうが、資本家以外の99%の私達は豊かになれるはず
これが脱成長の考え
経済成長こそが善であるという考え方からの脱皮が必要
脱成長後は「資本によって独占されているものを公共のものとしていこう」というコミュニズム的な考えにする必要がある
今は一部IT企業やその経営者があらゆる資産や知識を独占し、ものすごくお金持ちになっている
そうした企業の倉庫で働いている人は不安定な生活を送っている(貧富の差)
資本主義がどれだけ持続可能なものに近づいていっても、結局多くの人は潤沢な生活を享受できない
豊かな生活をしていても、一向に満足できず贅沢な生活をしているとは思えない
(資本主義は欠乏感を作り出す)
・新しいスマホが欲しくなる
希少性というのが絶えず組み込まれている
そういった商品が次々出てくるので、お金が必要になり、労働時間も増えていく
これだけ生産力が上がっても週に40時間以上働いているのはなぜか
本来であれば、成長をしなければ、今のままの生活で良ければ、テクノロジーの発達、AI技術の向上により、同じ時間で以前の10,20倍の生産ができる
それに比例して、1/10、2/10になってもいいはず
しかし、逆に余暇や家族と過ごす、自分に使う時間は年々減っていっていて、希少なものになっている
資本主義の中では、働くことやお金以外の豊かさは軽視され、希少なものになっている
全員が長時間働くことにより、大量の商品が生産される
それを売るために広告やマーケティングが必要になる
これらは本来不要なもの
消費→労働→消費→労働のサイクルの中でストレスを感じ、健康が犠牲になり、
お金も足りない状況になる
きょうのひとこと

本当は2020年読んだ本ランキングを書こうと思いました。
ですが、せっかくなら自分のメモを公開したいなぁと書いてみたら、
文字数が多くなってしまったので、ランキングはまた今度にしようと思います。
本当に資本主義の成長する考えではなくて、共有するという考えがこれから大切になっていくと思います。
以前、私の考えはブログに書いています。
読書メモはたくさんあるので、
これからも公開していこうと思います!
ではでは~ばいちゅん!