
5章 理想の人間関係を自分で作ってもいい
①自分の気持ちは相手に必ず伝わっている
例えば、大勢の前で発表をする時、緊張しますよね。
逆に発表を見ている時も、「あの人、緊張しているなぁ」と伝わってきます。
また、部下相手などに説明をした時、「分かったふりをしているな」というのも伝わってきませんか?
それらと同じで、人間は、直接言葉で聞かなくても、その人の小さな動作や目の動きなどで相手の感情が、伝わってきます。
つまり、自分が相手を嫌いと認識していると、相手にも伝わり、相手は身構えてしまうということです。
そのため、「嫌い」「苦手」「嫌だな」という気持ちはあまり持たないようにすることが理想の人間関係を作ることに必要なことです。
初対面では不機嫌だけど、仲良くなるとよく笑う人もいます。
せっかちだけど優しい人など、人は必ず二面性の性格を持っています。
相手のマイナス部分だけを意識するのではなく、プラスな部分にフォーカスして意識してみましょう。
そうすると、相手に「好き」という気持ちは伝わります。
相手は自分を好意的に見てくれます。
②周りに迷惑をかけてもいい
冒頭で、私が上司にいじめられた経験があることをお伝えしました。
ここでは、掘り下げて話していきます。
同じ職場に、三十代半ばの男性がいました。
穏やかで、優しい人ですが、自分の思ったとおりに人が動かない、理想通りにいかなかったときなどに態度が急変します。
机を蹴ったり、物を乱暴に扱ったり、特定の人にだけ情報を知らせずに困らせる人でした。
とあるきっかけがあって、彼に私の悪い噂を流されるようになりました。
私のことを知っている人は信じていませんでしたが、彼と仲がいいお局さんは明らかに私への態度を変えてきました。
私だけに重要な情報を伝えなかったり、物を目の前に投げたり、存在を無視したりなどです。目の前で陰口も言われました。
私は次第にイラついてきて、上司に相談しました。
しかし上司は、解決するのではなく、その場しのぎの対処しかしてくれませんでした。
そして私は、すぐに上司の上司に相談しました。
気づくと自分たちの部署内だけでなくて、他の部署の多くの人が関わる問題に発展していました。
そして、私は他の部署に異動することが決まりました。
異動してきた当初は、「問題を起こした子だ」という目で見られていたのですが、真面目に働いていればそんな目はいつしかなくなりました。
今は、人間関係の悩みはありません。
前の部署のお局さんも、噂を流した元上司も嫌いではありません。
ただ、お互いに合わなかっただけです。
この経験から、
自分の環境は自分で作るしかない。
そのためには、一人でどうにもならないときもある。
そうしたら、人に助けを求めてもいい。
という事に気づきました。
当時は苦しかったのですが、良い気づきを得た大切な経験です。
自分が本当に困っている、助けてほしいことを伝えれば、助けてくれる人は必ずいます。
まずは、「もう無理かもしれない」「助けて」「苦しい」とSOSを出してみましょう。海で遭難したとしても、救難信号を出さなければ、誰も助けてきてくれません。それと、まったく同じなのです。
もちろん、「助けて」というのは難しいこともあるでしょう。
それでも、言わないといけないのです。あなた自身を、守るために。