【7】4章 人を嫌いにならないために




4章 人を嫌いにならないために


①嫌いではなく合わない


 人を嫌いになることで、自分を守るために悪口を言いたくなる。

 悪口を言うようになると、自分が不幸になる。

 人を嫌いにならないためには、「嫌いと判断しない」ことが大切。

 それがここまでの復習ですね。

 では、嫌いになりそうな人、話していて気分が悪くなる人はどう判断すればいいのでしょうか?

 この場合、「嫌い」ではなく「合わない」と判断しましょう。

 嫌いな人と合わない人は、まったくの別物です。

 「目線を合わせて相手を知った結果、嫌いな人」ではなく、

 「目線を合わせて相手を知った結果、合わない人」という認識にしましょう。

 そうすれば、その人に関わるものを嫌いになることはありませんし、その人を見てイライラする事もありません。

 その人が良い評価を受けても、嫌な気分にもなりません。

 しかし、どうしても「嫌い」になりそうな人は必ずいます。

 それも結構な頻度で遭遇すると思います。

 その場合に有効なのは、「物理的に逃げる」ことです。

 二人きりではなく、他の人もいる場所で会話をする、などの対処法があります。

 例えば、AさんとBさんという二人がいたとします。この二人は会社の同僚です。

 二人とも人当たりがよく、社内でも頼りにされている存在です。

 しかし、AさんとBさんが同じプロジェクトに関わると、必ず問題が起こります。

 二人とも基本的には穏やかですが、作業などが進んでいくと、どちらかの小さな小言から始まり、最終的には言い争いになります。

 そうなるともちろん、上司に一人ずつ呼び出されます。

 一時的には収まりますが、時間が経てばまた同じことが起こります。

 私が話を聞いてみると、お互いに「なぜか言動が鼻につく」と言っていました。

 今では、AさんとBさんが一緒に仕事をすることはなくなりました。

しかし、その方が二人ともストレスなく、働けているそうです。

 会社としても、無駄な労力を使う必要がなく、メリットだらけです。

 この経験から私は、合う人、合わない人は存在することを知りました。

 そうです。大切なのは、合わない人がいても気にしなくてもいいということです。「自分がもっと合わせなきゃ」と思う必要もありません。

 次の章で詳しくお伝えしますが、「人間関係は自分で作る」のでいいのです。では、どう作るのでしょう? 詳しく見ていきましょう。