【1】はじめに




はじめに


 はじめまして。本間ちたるといいます。

 人間関係をスムーズに築いていく際の考え方をお伝えします。

・友人が作れない

・上司とうまくいかない

・家族と喧嘩ばかりしている

 そんな悩みを持つ方はとても多いと思います。

 人間として生きている限り、人間関係で悩むものです。

 けれど、私は、これからお話していく考え方を意識するようになってから、人間関係で悩むことはなくなりました。

 周りの人から「そんな風な考え方を持って生きたい」と言われることが増え、思い切って筆をとりました。

 性別や年齢、所属に関わらず、どんな人でも使える人間関係の極意です。

 読んだ人が、より楽しい生活を送れることを、心から祈っております。


いつの時代も、人間は人間関係に悩み続けている


 本屋さんでは、人間関係に関する本がいつの時代もたくさん並んでいます。

 売上げランキング上位にも、人間関係に関する本がランクインしていますね。

 そのような現実から分かることは、『人間関係に悩む人は時代、年代問わずとても多い』ということです。

 「人間関係の悩みを解消できる唯一無二の正解はない」と思い、そして、悩みの種だった相手との関係を諦めたことはありませんか?

 その人とはあまり関わらないようにしたことはありませんか?

 

 本屋さんに並んでいる本も、「この場面では、このようにあしらう」「この場面では、あなたは傷つく必要はない」といったその場しのぎの対処についてのみ書かれている本が多いです。

 それでは、根本的な解決になっていません。

 

 本当に大切なのは、相手のあしらい方ではありません。

 「自分がどう捉えるか」です。

 この本では、人間関係の悩みの解消方法を「自分がどう考えるか」という面から、アプローチしていこうと思います。

コロナ、AI時代こそ人間関係を学ぼう


 ここ数年での一番大きなニュースは、新型コロナウイルスが世界的に流行をしたことですよね。

 時代の変化が速い現代が、さらに速く変化しました。

 オンラインミーティングやオンライン飲み会も一般的になりました。人に会わずにモノを売り買いすることも当たり前になっています。

 そして今後も、直接会わないコミュニケーションが増えていくでしょう。

 直接話しているからこそ、伝わってくる相手の気持ち。

 直接話しているからこそ、自分から伝えられる気持ち。

 人間関係を築いていくことが、現代よりも、難しくなっていくのではないでしょうか。

 さらにこれからは、AIが発達していきます。

 今よりもさらに、人間同士がオフラインでコミュニケーションをとる機会は減っていくと考えられます。

 自分の気持ちを伝える、相手の気持ちを知るには、「オフラインで話す」ことがこれからも生きていく上で必要不可欠であり、これからも変わらないでしょう。

 そんな今だからこそ、今までの人間関係の築き方を振り返って、学ぶべきだと私は考えます。

 なぜなら、常に人間関係に悩むのは、優しい気持ちを持っている人だからです。

自己紹介


 ここで、私の話をすこししましょう。

 私は二十歳のときにうつ病を経験しました。

 元の性格は、真面目で完璧主義者。人に頼み事をするのも苦手で、「手伝って」の一言も言えないような性格でした。小学生の頃からこの性格です。

 高校生の時、数学のテストで百点満点中三十六点を取ったことがあります。

 クラス最低点数でした。

 とても恥ずかしくて、誰にも見られないように、すぐにファイルに入れました。

 点数が低くても笑いながら人に見せられる人の神経が一ミリも分かりませんでした。

 そして、二十歳の時、うつ病になりました。

 朝起きて布団の中、お風呂中、寝る前の布団のなかで毎日泣いていました。

 自己肯定感が低く、「自分が存在しているのが申し訳ない」と思っていました。

 出かけたり、好きな物を食べたりしても、毎日まったく楽しくありませんでした。

 自分がうつ病かもしれないと気づいたとき、家族の誰にも話せませんでした。

 うつ病は心が弱い人がなるものだと思っていたので、弱いと思われたくなかったからです。

 そして、オンラインでカウンセリングをしてくれる先生と出会いました。

 その先生と出会って、私の性格は変わりました。

 自分が人よりも敏感に感情を読み取ってしまう『HSP』であることも分かりました。

 私には、接客業の経験と、上司にいじめられた経験もあります。

 特に上司にいじめられた当時は毎日苦しくて、悩んでいました。

 でもこれらの経験から、ちゃんと人と向き合うことのできている大人は少ないと気づきました。また、自分の為に行動することの大切さも知りました。

 そして、人の相談を聞く機会が多くなり、自分の考えていることが、他の人にとっては新しい視点だということにも気づきました。

 この本を手に取った人、つまり、人間関係に悩む人には、以前の私のような真面目な人が多いと感じます。

 そんな人のために、私が変われた考え方をお伝えできたらと思い、本の制作を決めました。

すべてを読む必要はありません。

 必要なページだけで構いません。これを読んでいる人の中には、ブラック企業で大変な目にあい、うつ病を発症している人もいるでしょう。学校で人間関係に悩みすぎて、本を読むのもつらいという人もいるでしょう。

 まずは読みたい部分だけを読んで、読めそうならば全体をお読みいただけたら嬉しいです。けっして無理はせず、楽しく読んでいただけたら幸いです。